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アイソレーションタンクとは、光と音を遮断した密閉空間の中で、体温に近い温度の高濃度エプソムソルト溶液に浮かぶための装置です。浮力によって体は重力からほぼ解放され、視覚・聴覚・触覚への刺激が最小限の環境が生まれます。

もともとは1950年代にアメリカの神経生理学者が研究目的で開発したもので、1970年代以降はリラクゼーションとして世界中に広がりました。現在は欧米を中心に世界中にタンクサロンが普及し、脳科学・スポーツ科学・ヘルスケアの分野での研究も続いています。

このページでは、アイソレーションタンクについて次の内容をご紹介します。

  • タンクの仕組み(エプソムソルト・浮力・水温・遮光遮音)
  • 開発から現在までの歴史
  • アイソレーションタンクとフローティングタンクの違い
  • 研究について
  • セルフロッテのタンクと衛生管理
  • 体験中の過ごし方と注意点

「まず浮かんでみたい」という方は、初めての方へから当日の流れをご確認ください。

アイソレーションタンクとは何か

アイソレーションタンクの構造(側面図・水深約23cm・ハッチ・給気口)

アイソレーションタンクは、「静かに浮かぶ」ことだけを目的に設計された装置です。揉む・押す・引っ張るといった施術は一切なく、利用者は決められた時間、静かに水面に横たわって過ごします。

名称はいくつかあり、同じ種類の装置を指して使われています。ただし、設計には違いがあります(詳しくは後述の「アイソレーションタンクとフローティングタンクの違い」をご覧ください)。

名称 意味・特徴
アイソレーションタンク
(Isolation Tank)
外部刺激から限りなく隔離(isolate)することを目指した装置。セルフロッテが使用しているタイプ
フローティングタンク
(Floating Tank / フロートタンク)
浮かぶ(float)体験そのものに着目した呼び方。外部刺激を完全に遮断することは目的としていない設計が多い
感覚遮断タンク 五感と重力からの刺激を限りなくゼロに近づける機能に着目した呼び方
REST 環境刺激制限技法(Restricted Environmental Stimulation Technique)の略。学術的な呼び方

セルフロッテでは、開発者であるリリー博士の意思を引き継ぐ「リリーモデル」と呼ばれる、サマディタンク社製のアイソレーションタンクを使用しています。

現在セルフロッテでは、サマディタンク社の創業者であるグレン・ペリー氏と共同で、新モデルを開発中です。

浮かぶ仕組み

タンクの環境は、4つの要素で成り立っています。

エプソムソルトの飽和水溶液

エプソムソルト(硫酸マグネシウム)の結晶

タンクの中の液体は、エプソムソルト(硫酸マグネシウム)を水に溶かしきった飽和水溶液です。海水よりもはるかに高い濃度で、液体の比重が大きいため、体は無理なく自然に浮かびます。

水深は23cmほどしかありません。深いプールのような環境ではなく、「浅い水面に横たわる」イメージです。体は床から5〜6cmほど浮いている状態で、深さへの不安を感じにくい環境です。

浮力

セルフロッテのタンク溶液は濃度が安定しており、泳げない方も、体脂肪率の低い方も、横たわるだけで浮きます。接地面がないため、体への局所的な圧力がかかりません。

眠ってしまっても、体は浮いたままで接地面がないため、寝返りを打つことはありません。寝相が気になる方でも、そのまま浮かんでいられる環境です。

この状態は、しばしば「無重力に近い」と表現されます。厳密には重力はありますが、全身の力を抜いて浮かぶと、体の輪郭が分からなくなるような感覚を覚える方もいらっしゃいます。

水温

セルフロッテでは、予約時にお伺いした内容に加え、来店当日の気候や服装、肌の状態を確認し、利用目的とフローティング時間を考慮したうえで、水温を直前まで調整しています。

タンクに入られた後も、タンク内の水温の変化を確認しながら微調整を行い、その方に合った環境を保つようにしています。

遮光・遮音

タンクの扉を閉めると、内部はほぼ完全な暗闇になります。外部の音は、緊急車両など一部を除きほぼ遮断され、聞こえるのは自分の呼吸音・心音・体液の流れる音程度です。これらの音から意識を離すと、「何もない世界」に近い状態になります。

日常生活で絶えず入ってくる視覚・聴覚の情報がほぼゼロになる環境は、タンク以外ではなかなか作れません。この環境で何を感じるかは、人によって異なります。

なお、扉は頭のすぐ上にあり、内側からいつでも自由に開閉できます。給気口から空気は常に供給されています。暗闇や閉所が苦手な方は、扉を少し開けたまま浮かぶことも可能で、体験の直前に具体的にご説明します。

歴史

アイソレーションタンクの歴史(1954年リリー博士の開発から現在まで)

1954年 J.C.リリー博士による開発

アイソレーションタンクは、1954年にアメリカの神経生理学者ジョン・C・リリー博士によって考案されました。「外部からの刺激が一切なくなったとき、脳はどう働くのか」という研究上の問いから生まれた実験装置です。

初期のタンクは真水を使い、利用者が呼吸用のマスクをつけて全身を沈める形式でした。

1970年代 サマディタンク社による商用化

1970年代に入り、エプソムソルトの飽和水溶液を使って仰向けに浮かぶ、現在の形式が確立されます。この設計を製品化したのが、アメリカのサマディタンク社(Samadhi Tank Company)です。

リリー博士の思想を受け継いだサマディタンク社のタンクは、「五感と重力からの刺激を限りなくゼロにする装置」を目指して設計されており、セルフロッテが使用しているのも同型のモデルです。

2000年代〜現在

1980年代以降、アメリカではいったん下火になりますが、スウェーデンやアメリカの研究者による研究は続けられます。2000年代以降、新型タンク「i-sopod」の登場をきっかけに、アメリカを中心にさまざまなタイプのタンクが発表され、再び注目を集めるようになりました。

長年の研究成果と合わせて、かつての「特殊な文化」というイメージから、ヘルスケアの一分野として受け止められるようになっていきます。

近年は欧米を中心にフロートセンターが増え、ホテルのスパや美容サロンのメニューにも取り入れられ、個人のタンクサロンも次第に増えて現在に至ります。

日本ではタンクの施設数がまだ少なく、サマディタンク社製のタンクを常設しているサロンは限られています。

アイソレーションタンクとフローティングタンクの違い

「アイソレーションタンク」と「フローティングタンク」は、同じ装置の別名として使われることも多い言葉です。ただ、装置の設計をよく見ると、この2つには生まれた目的の違いがあります。

アイソレーションタンク

研究のための装置から始まりました

リリー博士が求めたのは、「外部刺激が一切ない環境」です。その系譜を受け継ぐタンクは、完全な暗闇と静けさを実現することを最優先に設計されています。

  • 光は感知できず、上下左右も感じにくい
  • 水深は浅く、両手を伸ばすと壁に触れられる
  • 刺激を限りなくゼロに近づけることを重視した設計

フローティングタンク

浮かぶ体験を広めるために生まれました

1990年代以降、フローティングが一般に広がる過程で、誰でも気軽に利用できることを重視した「i-sopod型」が2009年にイギリスで発表されます。

  • 利用者の意思でLEDライトを点灯できる
  • 圧迫感が少なく、空間が広い流線型のデザイン
  • 光と音をあえて完全には遮断しない設計

どちらが優れているという話ではなく、「何を大切にした設計か」の違いです。感覚を完全に手放す体験を求めるか、安心して浮かべる環境を求めるか。目的によって、合う装置は変わります。

セルフロッテが使用しているのは、前者の系譜にあたるサマディタンク社製のタンクです。扉を閉めた内部はほぼ完全な暗闇になり、聞こえるのは自分の呼吸音や心音程度です。この「何もない環境」こそがタンク体験の醍醐味と考え、開発当初の設計を受け継ぐ装置を使い続けています。

一方で、刺激を限りなくゼロにする環境は、初めての方には戸惑いも大きいものです。真っ暗な中で何が起こるのか、自分に合うのか、入ってみるまで分かりません。

だから、入る前の準備に時間をかけています

セルフロッテのオーナーは、タンク歴30年。自身のフローティング実践は1,100時間を超え、立ち会ったセッションは14,000回を超えます。刺激が最小限の環境は、初めての方には不安が伴うのが当然です。

だからこそ、事前のヒアリングでその方の特徴をつかみ、タンクの中で起こりうることを体験前にお伝えし、フローティング中に何かあっても落ち着いて対応できる方法をご案内しています。この事前の対応を、セルフロッテではセッションの大切な一部と考えています。

閉所や暗所が苦手な方、感覚遮断に馴染めない方、途中で不安になった方。この装置の中で起こるさまざまなことを、数多くのセッションを通して見てきました。その経験をもとに、初回から長めの時間を選ばれる方にも、落ち着いて過ごしていただけるようご案内しています。

初めての方への15〜20分のオリエンテーションは、そのための時間です。扉は頭のすぐ上にあり、寝た状態でも内側からいつでも開けられます。不安な方には、わずかに開けた状態で浮かぶ方法も、事前に時間をかけてご説明しています。

研究について

アイソレーションタンクでの体験は、学術的には「Flotation-REST(フローテーション・環境刺激制限技法)」と呼ばれ、アメリカを中心に、オーストラリア、スウェーデンなどで研究が続けられています。

スウェーデン・カールスタード大学や、アメリカ・ローリエイト脳研究所(Laureate Institute for Brain Research)などで、刺激の少ない環境で過ごすことが人の心身にどのような変化をもたらすかについて、継続的に研究が行われています。ローリエイト脳研究所では、フローテーション中の脳活動を計測する研究も行われています。

研究の詳細や最新の論文については、各機関の公開情報をご参照ください。

※セルフロッテは医療機関ではありません。感じ方には個人差があります。

セルフロッテのアイソレーションタンク

サマディタンク社製アイソレーションタンクのハッチ(SAMADHI刻印)

サマディタンク社製

セルフロッテのタンクは、アメリカ・サマディタンク社製です。1970年代から世界のフローティング文化を支えてきたメーカーで、リリー博士がグレン・ペリー氏とともに設計したスタイルを現在も継承しています。

現在、サマディタンク社とセルフロッテは共同で、新しいモデルを製作しています。

浮力と水温の管理

タンク体験で重要な要素は複数ありますが、意外と見落とされがちなのが「浮力と水温」です。浮力が基準値を下回ると不安や緊張を招き、逆に濃度が高すぎると溶液が固く感じられ、落ち着きにくくなります。

また、濃すぎる溶液は再結晶化を招き、ろ過システムの故障にもつながるため、濃度管理には細心の注意を払っています。

セルフロッテでは、溶液の濃度を専用の計測器で常に管理し、水温はお客様の体質・目的・フローティング時間に合わせて調整しています。体温の低い方や、局所的に冷えが気になる方には特に配慮していますので、当日のヒアリングで遠慮なくお伝えください。

溶液の安全性

セルフロッテの溶液は、エプソムソルトのほかは、日本食品分析センターの安全性試験(単回経口投与毒性試験・皮膚刺激性試験・眼刺激性試験)をクリアした素材のみで構成しています。

ヘアカラーは、施術から数日経ち色が定着していれば、これまで影響のご報告はありません。肌が敏感な方も多くご利用いただいていますが、気になる方は予約時にご相談ください。

耳栓は無料でお貸ししています。溶液が耳の中に入ると抜けにくいため、ご利用当日に装着方法を丁寧にご説明します。ご自身で用意される場合は、乳白色の粘土タイプが耳穴にフィットしやすく、おすすめです。

衛生管理

タンク溶液の衛生は、次の方法で管理しています。

  • セッションごとの溶液の循環濾過
  • オゾン殺菌(人体には無害です)
  • 機材の定期的な分解・洗浄
  • 定期的な水質検査の依頼
  • 区保健所によるレジオネラ菌等の衛生指導の遵守

体験中の過ごし方と注意点

セルフロッテの休憩スペース

タンクでの過ごし方

一番おすすめなのは、「何もせず、ぼんやり過ごす」ことです。自分が一番楽だと感じる姿勢で、静かに浮かびます。最初のうちは考えごとが止まらなかったり、体を動かしたくなったりするのが普通です。

動いても構いません。ただ、体の力が抜けてくると、動かずにいる方が落ち着いて過ごせることが多いようです。動きたいと感じたら、その感覚が収まるまで適度に動いてください。

浮かんでいる途中で、体が自然に動いたり、気持ちが揺れ動いたりすることがあります。どんなことがあっても、そのままリラックスを続けてください。ご自身で決めたフローティング時間を、最後まで過ごしていただくことをおすすめしています。

トイレに行きたくなった場合など、途中で出入りすることはいつでも可能です。タンクから出るときは、体に付いた溶液をきれいに拭き取り、すぐ隣にあるトイレをご利用ください。目や鼻に溶液が入ったときも、同じ要領で出て、近くのシャワーをご利用ください。

注意点

  • 耳栓:タンク溶液は通常の水より重く、耳の奥に入ると抜けにくいため、耳栓の装着をおすすめします(サロンで用意しています)
  • コンタクトレンズ:外してからの体験をおすすめします。溶液が目に入るとかなり沁みます
  • 服装:基本は何も身につけずに浮かびますが、ご持参いただいた水着の着用は可能です
  • 食事:空腹・満腹はどちらも落ち着きにくくなります。直前のカフェイン摂取も控えめに
  • 髭剃り・除毛:直後は沁みるため、セッション前24時間以上空けることをおすすめします
  • 傷・肌荒れ:軽いものは多少沁みますが、数分で気にならなくなります。傷口が開いている場合は、防水フィルムなどで完全に防水できる場合を除き、体験は難しくなります
  • シャワー:セッション後は体についた溶液をよく洗い流してください。乾燥するとマグネシウムが結晶化して不快なため、特に耳の穴は念入りに洗い流してください

当日の流れや持ち物について詳しくは、初めての方へをご覧ください。

よくある質問

誰でも浮きますか?溺れませんか?

はい、浮きます。泳げない方でも、横たわるだけで浮くことができます。水深は23cm弱で、体は床から5〜6cmほど浮いている状態ですので、溺れる心配はありません。

閉所・暗所が苦手でも大丈夫ですか?

扉は内側からいつでも自由に開け閉めでき、給気口から空気は常に供給されています。扉を少し開けたまま浮かぶこともできますので、当日ご相談ください。

水は衛生的ですか?

セッションごとに溶液の循環濾過とオゾン殺菌を行い、機材の分解洗浄、定期的な水質検査、区保健所の衛生指導の遵守を徹底しています。

何を着て入りますか?

基本は何も身につけずに浮かびますが、ご持参された水着の着用は可能です。サロンでの水着の用意はありません。髪が長い場合は、軽めに結ぶと快適です。

初めてでも大丈夫ですか?

はい。初めての方には、体験前に15〜20分ほどかけて、タンクの使い方や過ごし方をオーナーがご説明します。不安なことは何でもお聞きください。

セルフロッテ オーナー 霧城見一

このページの執筆

霧城 見一Sel Flotte 〜セルフロッテ〜 オーナー

タンク歴30年。フローティング実践1,100時間以上、立ち会いセッション14,000回超。サマディタンク社製タンクを用いたアイソレーションタンク専門サロンを東京・池袋で運営。

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